● 天皇・すめらみこと
第三十四代舒明天皇・じょめいてんのう です。舒明天皇は推古天皇の後継を聖徳太子の子である山背大兄王・やましろのおおえのおう と皇位を争い天皇に即位しました。
舒明天皇の即位には蘇我氏の果たした役割が大きく、天皇も蘇我氏を後ろ盾としたため、蘇我氏は舒明天皇の時代にその勢力を大きく伸ばしました。
● 香具山・かぐやま
「香具山」は奈良県橿原市にあり、畝傍山、耳成山とともに大和三山と呼ばれています。天から降って来た山であると伝承され、神聖な山として神事が執り行われていました。
● 望国・くにみ
国見に同じです。為政者が高い場所から国の情勢や民衆の暮らしぶりを望み見ることです。
● 御製歌・おほみうた
お手製の歌
● 群山・むらやま
たくさんの山々
● 天の香具山・あめのかぐやま
「天の」は神聖なものに冠される言葉。「香具山」は上記に同じです。
● 国見・くにみ
上記「望国」と同じです。
● 国原・くにはら
国の平野、平原、ここでは大和平野を言います。
● 煙立ち立つ・けぶりたちたつ
煙があちらこちらから立ち上る。かまどの煙が立ち上り民衆の暮らしが豊かなことを表わしています。
● 海原・うなはら
広々とした海面。ここでは香具山のふもとにある埴安の池を海にたとえています。
● 鴎立ち立つ・かまめたちたつ
水鳥をかもめと表現しています。水鳥があちらこちらに飛び立っている。
● 美し国ぞ・うましくにぞ
美しく豊かな国だなあ。
● 蜻蛉島・あきづしま
大和にかかる枕詞です。蜻蛉はトンボです。神武天皇が日本の国土を一望して「トンボのようだ」と言ったことに由来するとされています。
枕詞は歌に見られる修辞で、特定の語の前において一つの組となり、語調を整えたり、情緒を添える働きをします。