2022年4月1日 / 最終更新日時 : 2023年11月1日 DCP お知らせ 2022年4月1日新しい歌を追加しました。 <更新情報>2022年4月1日● 命をし幸くよけむと 〈卷七・一一四二〉詠人知らず●鶏が鳴くあづまの国に〈卷九・一八○七〉高橋虫麻呂●勝鹿の真間に井見れば〈卷九・一八○八〉高橋虫麻呂の反歌以上の三歌を加えました。 電子書 […]
2023年11月1日 / 最終更新日時 : 2023年11月1日 DCP お知らせ 2023年11月1日 電子古典読書会をリリースしました。 20235年11月1日、電子古典読書会をリリースしました。 ぜひアクセスしてください。 電子古典読書会サイトへ
2020年9月26日 / 最終更新日時 : 2021年2月10日 DCP お知らせ 名文電子読本リリースしました。 日本人が読み継いできた古典の名文をデジタルで編集しました。心に染みる美しい名文、気持ちの引きしまる立派な名文。そんな日本語の名文をデジタル技術を駆使した電子読本でご紹介します。 ダウンロードは無料です。どなたでもご自由に […]
2019年9月23日 / 最終更新日時 : 2024年11月15日 DCP 舒明天皇 大和には群山あれど 〈卷一・二〉舒明天皇の国見の歌 「美し国ぞ 蜻蛉島 大和の国は」この言葉は「この美しく豊かな国、大和の国に幸あれ」と天が大和の国を賛美し、祝福した言葉です。 そこには、天の意思が「言霊・ことだま」となって宿っています。 この解説サイトは電子書籍 にリン […]
2019年9月28日 / 最終更新日時 : 2023年2月14日 DCP 額田王 熟田津に船乗りせむと〈巻一・十五〉額田王 この歌は、斉明天皇が新羅征伐へ向かう海路で立ち寄った伊予の国熟田津(今の愛媛県松山市)で詠まれました。「闇夜が月明かりに照らされ始め潮も良い具合に満ちて来た。絶好の船出の時ではないか、さあ今こそ船を漕ぎ出そう」力強さに溢 […]
2019年9月21日 / 最終更新日時 : 2023年11月18日 DCP 中大兄皇子 わたつみの豊旗雲に入日さし〈卷一・十五〉中大兄皇子 「夕刻、海をながめると、豊かに旗のようになびいている勇壮な雲に入り日が差し込み、明るく大らかで神々しい景色が広がっている。きっと今夜は月が明るく澄み渡った夜であることだろう」 この解説サイトは電子書籍にリンクが貼られてい […]
2019年9月22日 / 最終更新日時 : 2023年11月1日 DCP 額田王 冬ごもり春さり来れば〈巻一・一六〉額田王 天智天皇が、春山の咲き乱れる花々の艶やかな美しさと秋山の紅葉して色づいた葉の彩りの美しさのどちらがすぐれているかを藤原鎌足に命じてその優劣を競わせた時、額田王が歌で以てその優劣を判定しました。 この解説サイトは電子書籍に […]
2019年9月22日 / 最終更新日時 : 2023年3月7日 DCP 大海人皇子 あかねさす紫野行き標野生き〈卷一・二〇〉額田王 紫草のにほへる妹を憎くあらば〈卷一・二一〉大海人皇子 天智天皇七年(六六八年)五月五日に近江の国蒲生野で薬猟(=遊猟)が行われました。その時に既に天智天皇の妻となっていた額田王と元夫の大海人皇子の間で交わされた相聞歌(親しい間柄で贈答された歌。特に男女の間で交わされた恋の歌 […]
2019年9月22日 / 最終更新日時 : 2024年2月11日 DCP 麻續王 打麻を麻續王白水郎なれや〈卷一・二三〉麻續王を哀れみ傷みて人の作れる歌 うつせみの命を惜しみ〈卷一・二四〉麻續王の返歌 流刑となった伊良虞島で、打ち寄せる浪に全身を濡らしながら藻を刈り取っておられる麻續王の姿を土地の人が「漁夫でもない麻續王が伊良虞島の藻を刈っておられる、なんと哀れで痛ましいお姿であろう」と歌に詠みました。 それを聞いた麻 […]
2019年9月22日 / 最終更新日時 : 2023年2月19日 DCP 持統天皇 春過ぎて夏来るらし〈巻一・二八〉持統天皇 激動の時代に波乱の人生を送り、心休まることのなかった女帝にやっと訪れた穏やかな晩年の初夏を連想させます。 この解説サイトは電子書籍にリンクが貼られていますが、電子書籍をダウンロードせずに読まれる方(主にスマートフォンで読 […]
2019年12月21日 / 最終更新日時 : 2024年2月11日 DCP 柿本人麻呂 玉襷畝火の山の橿原の〈巻一・二十九〉柿本人麻呂 壬申の乱が人々の記憶から遠ざかり、それを口にすることも少なくなった頃、柿本人麻呂は近江の国大津を通り過ぎました。荒れ果てた嘗ての都は、春草が生い茂り、霞がたてばそれとは知らず行き過ぎる人もいるほどです。中大兄皇子(天智天 […]
2019年12月21日 / 最終更新日時 : 2023年2月19日 DCP 柿本人麻呂 楽浪の志賀の辛崎幸くあれど〈巻一・三十〉柿本人麻呂 反歌 伝え聞く戦争の記憶とは、その戦争全体に関するものではなく、戦争の中の一場面です。それは圧倒的な勝利の戦いであったり、逆にもっとも悲惨な出来事であったりします。 この解説サイトは電子書籍にリンクが貼られていますが、電子書籍 […]
2019年12月21日 / 最終更新日時 : 2023年2月19日 DCP 柿本人麻呂 楽浪の志賀の大わだ淀むとも〈巻一・三十一〉柿本人麻呂 反歌 人麻呂は流れ消えることのない(いっときも変わることのない)入江の淀みを見つめながら、時とともに消え去り、もはや会うことのできない昔の人を思いました。消えないもの(志賀の大わだの淀み)と消え去ったもの(昔の人)を対比させ、 […]
2019年9月22日 / 最終更新日時 : 2023年2月19日 DCP 大伯皇女 我背子を大和に遣ると小夜ふけて〈巻二・一〇五〉 二人行けども行き過ぎ難き秋山を〈巻二・一〇六〉大伯皇女 大伯皇女(おおくのひめみこ)の作った歌二首です。六八六年、皇太子である草壁皇子(病弱で暗愚だったと伝えられています)への謀反の疑いをかけられた大津皇子は、斎宮となって伊勢神宮に仕えている姉の大伯皇女を密かに訪ねます。もは […]
2019年9月22日 / 最終更新日時 : 2023年2月19日 DCP 有間皇子 磐代の浜松が枝を引き結び〈巻二・一四一〉家にあれば笥に盛る飯を〈巻二・一四二〉有間皇子の自ら傷みて松が枝を結べる御歌二首 有間皇子の歌二首です。二つの歌からは、有間皇子が皇位を望まず、また政治的な野心もなく、ただ平穏な日々が続く事だけを望んでいたことが伝わってきます。「毎日のありふれた日常の中にこそ真の幸せがある。」若い皇子はこのように考え […]
2020年11月27日 / 最終更新日時 : 2023年2月19日 DCP 柿本人麻呂 天飛ぶや軽の路は吾妹子が里にしあれば〈巻二・二〇七〉柿本人麻呂 柿本人麻呂の長歌です。離れて暮らす妻が亡くなったという突然の知らせを聞き、泣血哀慟(血の涙を流して泣き叫んで悲しむ)の悲しみが、妻への愛しさをいっそう深めていく心情を歌にしています。 この解説サイトは電子書籍にリンクが貼 […]
2020年11月27日 / 最終更新日時 : 2023年2月19日 DCP 柿本人麻呂 秋山の黄葉を茂み迷いぬる〈巻二・二〇八〉柿本人麻呂 妻の死を秋山の中で道に迷ったことにたとえ、その死を美しく幻想的なものに印象づけています。妻が迷ったその道は、秋山のもみじに隠れて見つからない。黄泉の国へと続くその道を、私は見つけることができないのだ。 この解説サイトは電 […]
2020年11月27日 / 最終更新日時 : 2023年2月19日 DCP 柿本人麻呂 黄葉の散りゆくなべに〈巻二・二〇九〉柿本人麻呂 初めて逢ったあの日に帰りたい。あの日に帰ってもう一度妻とめぐり逢いたい。 この解説サイトは電子書籍にリンクが貼られていますが、電子書籍をダウンロードせずに読まれる方(主にスマートフォンで読まれる方)のために、電子書籍の表 […]
2021年2月18日 / 最終更新日時 : 2023年2月19日 DCP 柿本人麻呂 うつせみと思ひし時に〈巻二・二一〇〉柿本人麻呂 前の長歌の詞書に「柿本朝臣人麿の妻死りし後に泣血ち哀慟みて作れる歌二首」とありますが、この歌の妻は巻207の軽の地の妻とは別人であるとされています。軽の地の妻が世間には知られたくない隠し妻であったのに対して、この長歌で歌 […]
2021年2月18日 / 最終更新日時 : 2023年2月19日 DCP 柿本人麻呂 去年見てし秋の月夜は照らせど〈巻二・二一一〉柿本人麻呂 反歌 年月は大切な人を失った悲しみを癒す唯一の薬ですが、その人を遠ざけていくという副作用を伴います。大切だった人の記憶も他の記憶の中に埋もれていくのです。 この解説サイトは電子書籍にリンクが貼られていますが、電子書籍をダウンロ […]
2021年2月18日 / 最終更新日時 : 2023年2月19日 DCP 柿本人麻呂 衾道を引手の山に妹を置きて〈巻二・二一二〉柿本人麻呂 反歌 妻の死因は疫病(感染症)だったと思われます。この時代に流行した疫病といえば、感染力が強く致死率も高い天然痘だったのでしょう。今のように庶民が栄養過多の生活習慣病で死ぬなどありえない時代です。長歌に「世の中を背きし得ねば( […]
2019年9月22日 / 最終更新日時 : 2023年11月18日 DCP 山部赤人 天地の分かれし時ゆ〈巻三・三一七〉山部赤人 富士の山を望める歌 山部赤人の歌です。万葉随一のナチュラリスト(自然派歌人)として知られる山部赤人の歌の中でも、その反歌とともに赤人を代表する歌です。 この解説サイトは電子書籍にリンクが貼られていますが、電子書籍をダウンロードせずに読まれる […]
2019年9月22日 / 最終更新日時 : 2023年11月18日 DCP 山部赤人 田児の浦ゆうち出でて見れば真白にそ〈巻三・三一八〉山部赤人 反歌 前の長歌に添えられた反歌です。百人一首にも選ばれた名歌で、富士を詠った和歌の代表として古来より多くの人に暗誦されてきました。赤人が伝えたかったのは自分自身の感動です。前の長歌と同じくこの短歌でも自分の感動を伝えるという方 […]
2020年9月24日 / 最終更新日時 : 2023年11月18日 DCP 山上憶良 憶良らは今は罷らむ〈卷三・三三七〉山上憶良 この歌からは、ただほのぼのとした子供と妻に対する愛情だけではない何かが伝わってきます。五十代後半ではじめて国司に任命され赴任した伯耆の国での新任の宴、これから部下になる役人たちを前に憶良が詠んだ歌と考えてみてはどうでしょ […]
2019年9月22日 / 最終更新日時 : 2023年2月19日 DCP 大伴旅人 験なき物を思わずは〈巻三・三三八〉 大伴旅人 酒を讃むる歌 人と飲むではなしに、一人手酌で濁った酒を飲むのです。濁った酒の色は、旅人の心をそのまま写しとったかのようにどんよりとした暗さを醸し出しています。この歌には旅人の深い孤独と沈痛の思いが言霊となって宿っています。 この解説サ […]
2019年9月22日 / 最終更新日時 : 2023年2月19日 DCP 大伴旅人 あな醜く賢しらすをすと〈巻三・三四四〉大伴旅人酒を讃むる歌 太宰府で旅人が主催する酒宴の席では多くの歌が詠まれました。この歌も酒を飲んでいればこそ作れた歌です。滑稽を狙って酔いにまかせて作った歌でありながらも、公人としての旅人自身の強い責任感と緊張感があればこそ作り得た会心の一作 […]
2019年9月22日 / 最終更新日時 : 2023年2月19日 DCP 大伴旅人 我妹子が見し鞆之浦の室の木は〈巻三・四四六〉大伴旅人 太宰府の長官として家族を伴って九州太宰府に赴任していた大伴旅人が、大納言に昇進して都へ帰る途中に鞆の浦で詠んだ歌です。 この解説サイトは電子書籍にリンクが貼られていますが、電子書籍をダウンロードせずに読まれる方(主にスマ […]
2019年9月22日 / 最終更新日時 : 2023年2月19日 DCP 大伴家持 秋さらば見つつ偲へと〈巻三・四六四〉大伴家持 妻はなでしこの花に自分の面影を託し家持の記憶の中で生き続けようとしました。家持はそんな妻の心情を歌にして妻を永遠の中に蘇らせたのです。 この解説サイトは電子書籍にリンクが貼られていますが、電子書籍をダウンロードせずに読ま […]
2020年9月24日 / 最終更新日時 : 2023年2月20日 DCP 山上憶良 瓜食めば子等思ほゆ〈卷五・八○二〉山上憶良 この歌は、都に家族を残して筑前に国司として赴任中に詠まれた歌であろうと推測されています。もしそうであるなら、憶良はすでに六十代半ばを過ぎており、都に残した子供への愛情を詠いながら、同時に老いを感じつつ家族と離れ一人筑前に […]
2020年12月19日 / 最終更新日時 : 2023年2月20日 DCP 山上憶良 銀も金も玉も何せむに〈卷五・八○三〉山上憶良 「金、銀、宝玉、そんなものが何になる。子供に勝る宝がどこにあろうか。」 この反歌は万葉集の中でも名歌として知られ、親の子への愛情の表現として幾度となく引用されてきました。「子に勝る宝なし」は、憶良のこの反歌からきています […]
2019年9月22日 / 最終更新日時 : 2023年2月20日 DCP 大伴旅人 天平二年正月十三日に〈巻五〉 梅花の歌三十二首并せて序 元号「令和」が出典された万葉集卷五「梅花の歌三十二首并せて序」漢文で書かれた序の書き下し文です。「令和」は「初春令月、気淑風和・初春の令月にして、気淑く風和ぎ(初春の何をするにもよい頃で、大気は澄み渡り風は穏やかで)」か […]
2019年9月28日 / 最終更新日時 : 2023年2月20日 DCP 大伴旅人 わが園に梅の花散る〈巻五・八二二〉大伴旅人 梅花の宴で詠まれた梅花の歌です。詞書に主人とあるのは、この歌を詠んだ人物が宴の主催者である大伴旅人であることを示しています。 この解説サイトは電子書籍にリンクが貼られていますが、電子書籍をダウンロードせずに読まれる方(主 […]
2019年9月28日 / 最終更新日時 : 2023年2月20日 DCP 山上憶良 風雑り雨降る夜の〈巻五・八九二〉貧窮問答の歌 世間を憂しと恥しと〈巻五・八九三〉反歌 山上臣憶良 山上憶良の貧窮問答歌とその反歌です。万葉集の中でも極めてよく知られた歌で、山上憶良はこの歌で万葉第一の社会派歌人として認められました。 この解説サイトは電子書籍にリンクが貼られていますが、電子書籍をダウンロードせずに読ま […]
2020年2月12日 / 最終更新日時 : 2023年2月20日 DCP 山部赤人 やすみしし わご大君の 高知らす<巻六・九二三> 神亀二年(725年)聖武天皇が吉野の宮へ行幸された時に、同行した山部赤人が詠んだ長歌です。山部赤人は、宮廷歌人にして万葉第一のナチュラリスト(自然派歌人)であり、吉野の自然を大らかに詠いつつ、天皇家の安泰をその中に巧みに […]
2020年2月12日 / 最終更新日時 : 2023年2月20日 DCP 山部赤人 み吉野の象山の際の木末には<巻六・九二四> この歌を一言で解釈すれば「吉野の朝はさわがしい」です。 この解説サイトは電子書籍にリンクが貼られていますが、電子書籍をダウンロードせずに読まれる方(主にスマートフォンで読まれる方)のために、電子書籍の表紙とページの画像、 […]
2020年2月12日 / 最終更新日時 : 2023年2月20日 DCP 山部赤人 ぬばたまの夜の更けぬれば<巻六・九二五> 吉野の宮(離宮)は吉野川の広い河原に沿って建てられており、昼間はその河原を離宮から眺めることができました。清んだ透明な流れに洗われた河原は久木(キササゲ)が群生し、夏に咲くその花は、離宮に奉仕する大宮人の目を楽しませてく […]
2019年9月22日 / 最終更新日時 : 2023年2月26日 DCP 山上憶良 士も空しかるべき〈巻六・九七八〉山上憶良 この歌からは、人生への自責の念よりは、重い病に伏せる中での強い生への欲望(執着)が伝わってきます。「まだ死にたくない」これがこの歌に詠み込まれた病に伏せる山上憶良七十四歳の本音だったようです。 この解説サイトは電子書籍に […]
2019年9月22日 / 最終更新日時 : 2023年2月26日 DCP 元興寺の僧 白珠は人に知らえず〈巻六・一〇一八〉元興寺の僧の自ら嘆く歌 僧侶となり仏に仕える身となった限り、仏道修行の他に何の修行があろうか。己の修行を知るのは己のみ、己の仏道修行を人に知られる(認められる)必要などあるものか。海中深くある貝の中にひっそりと納まった真珠の如く、私の仏道修行も […]
2019年9月22日 / 最終更新日時 : 2023年2月26日 DCP 柿本人麻呂 あしひきの山河の瀬の鳴るなへに〈巻七・一〇八八〉柿本人麻呂 この歌には自然の霊力が詠み込まれています。古来より日本人は自然と共生して生きてきました。山、森、河には神が宿り、雷、雨、風も神の仕業とみなしてきたのです。森羅万象、自然のあらゆるもの、あらゆる現象に神が宿っており、山間を […]
2022年3月31日 / 最終更新日時 : 2023年3月3日 DCP 詠み人知らず 命をし幸くよけむと 〈卷七・一一四二〉詠人知らず 千年以上の時を経てこの万葉の歌から伝わってくる響きは、健康を願うのでもなく、長寿を祈るのでもない、ただ今この瞬間の命の無事を願う響きです。 この解説サイトは電子書籍 にリンクが貼られていますが、電子書籍をダウンロードせず […]
2019年9月22日 / 最終更新日時 : 2023年10月16日 DCP 志貴皇子 石激る垂水の上のさ蕨の〈巻八・一四一八〉志貴皇子の懽びの歌 志貴皇子は非常に感受性が豊かで小さな喜びを感じ取れる人でした。権力を得ることや野心を満たすことではなく、日常の中にある小さな喜びを感じ取りそれに満足する生き方、そんな生き方を理想とした人だったのです。「志貴皇子の懽びの御 […]
2019年9月22日 / 最終更新日時 : 2023年11月1日 DCP 山部赤人 春の野にすみれ摘みにと来し吾ぞ〈巻八・一四二四〉山部赤人 春に咲く花は多いけれど、私たち日本人にとって、野に咲くすみれは桜とは違った意味で特別の存在です。「桜の花咲く頃」と「すみれの花咲く頃」では、季節は同じ春でも私たちの感性が受け取る春のイメージは異なります。「清楚で可憐な春 […]
2019年9月22日 / 最終更新日時 : 2023年3月3日 DCP 山部赤人 明日よりは春菜摘まんと〈巻八・一四二七〉山部赤人 突然の雪に悔しく残念な思いをしたからこそ、次にやって来た春の温かさは格別です。待つことが出来る人、待つことの大切さを知っている人だけが、その格別な温かさを感じることができます。 この解説サイトは電子書籍にリンクが貼られて […]
2020年7月2日 / 最終更新日時 : 2023年3月3日 DCP 高橋虫麻呂 春の日の霞める時に〈卷九・一七四○〉常世辺に住むべきものを〈卷九・一七四一〉 伝説に取材した歌を多く詠い、伝説歌人として万葉集にその名を残した高橋虫麻呂とはこのような人物であったのかとその人物像がイメージできた時、虫麻呂が伝説に託して詠ったものが何であるかが見えてくるように思います。 この解説サイ […]
2019年9月22日 / 最終更新日時 : 2024年5月26日 DCP 遣唐使の母 旅人の宿りせむ野に霜降らば〈巻九・一七九一〉遣唐使の母が子に贈れる歌 遣唐使に選ばれることは大変名誉なことでした。しかし、同時にそれは大変な危険をともなう旅でもありました。無事帰国できるかどうかは、人智を超えた運が大きく作用します。ですから「体に気をつけて」「しっかり勉強してくるのですよ」 […]
2022年4月1日 / 最終更新日時 : 2023年3月4日 DCP 高橋虫麻呂 鶏が鳴くあづまの国に〈卷九・一八○七〉高橋虫麻呂 勝鹿の真間に井見れば〈卷九・一八○八〉高橋虫麻呂の反歌 この時代の貧しい女性にとって容姿の美しさは必ずしも人生を幸福に導いてくれるものではありませんでした。美しさゆえに意に沿わぬ関係を迫られた貧しい女性たちも多かったはずです。手児奈の伝説は、もともとそんな不幸な女性の伝説とし […]
2019年9月22日 / 最終更新日時 : 2023年3月7日 DCP 遣新羅使の問答歌 君が行く海辺の宿に〈巻十五・ 三五八〇〉 新羅に遣はされし使人の問答歌 「毎夜あなたを思って吐く息は、いつか霧となってあなたのもとに届くはず。今宵港の宿をお探しなら、お気づきなさいませ、その宿を包む深い霧があなたを慕う私の吐息であることを」旅立った夫を一途に思う妻のけなげな心なんてものではあ […]
2019年9月22日 / 最終更新日時 : 2023年3月7日 DCP 狭野茅上娘子 君が行く道の長手を〈巻十五・三七二四〉 中臣朝臣宅守と狭野茅上娘子の贈答歌 「私のために罪を受けようとするあなた。あなたが行く越前までの長い長い道をたぐり寄せ折り畳み焼き尽くしてしまう天の火が欲しいのです」二人がどういういきさつで恋に落ち夫婦となったかはわかりませんが、この歌から伝わってくるのは […]
2019年9月22日 / 最終更新日時 : 2023年3月7日 DCP 中臣朝臣宅守 我妹子が形見の衣なかりせば〈巻十五・ 三七三三〉中臣朝臣宅守と狭野茅上娘子の贈答歌 「あなた、この衣をお持ちになって決して私のことを忘れずにいてください。」中臣宅守が流刑地へ旅立つ日の朝、狭野茅上娘子は自分が最も気に入っていた衣を形見として中臣宅守に渡しました。いつ会えるかもわからない夫に「この衣を私だ […]
2019年9月22日 / 最終更新日時 : 2023年3月7日 DCP 狭野茅上娘子 帰りける人来たれりと〈巻十五・ 三七七二〉中臣朝臣宅守と狭野茅上娘子の贈答歌 「あの人が帰って来たんだ」狭野茅上娘子がうれしさのあまり家を飛び出し、恩赦で帰京した人達がいる方へ駆け出して行く姿、そして中臣宅守がその中に含まれていないことがわかった時の彼女の落胆の表情、それらが映画のワンシーンの如く […]
2019年9月22日 / 最終更新日時 : 2023年3月7日 DCP 大伴家持 春の苑紅にほふ桃の花〈巻十九・ 四一三九〉大伴家持 じっと観賞して愛でる美もあれば、その瞬間にだけ感じ取れる一瞬の美もあります。一瞬の美は、その時、その場所で、その人にしか感じ取ることができません。家持は、心のシャッターがとらえた一瞬の美を、歌にして永遠という名のフォルダ […]
2019年9月22日 / 最終更新日時 : 2024年1月23日 DCP 防人歌 父母が頭掻き撫で幸くあれて〈巻二十・ 四三四六〉防人歌 「幸くあれて」この言葉には、父母が息子を、息子が父母を、それぞれの無事を切に願う祈りの言霊が宿っています。 この解説サイトは電子書籍にリンクが貼られていますが、電子書籍をダウンロードせずに読まれる方(主にスマートフォンで […]
2019年9月22日 / 最終更新日時 : 2023年3月7日 DCP 防人歌 唐衣裾に取りつき泣く子らを〈巻二十・ 四四〇一〉防人歌 防人歌の多くは、出立にあたっての妻子、両親との別れの悲しみ、遥かな故郷を思う望郷の念を詠っています。一方、国を守る崇高な決意や忠誠心を詠った歌はわずかです。別れの悲しみや望郷の念を詠った多くの防人歌を読んだ家持は、東国の […]
2019年9月22日 / 最終更新日時 : 2023年3月7日 DCP 大伴家持 新しき年の初めの初春の〈巻二十・ 四五一六〉大伴家持 家持は、新しい年の幸運を願う自らの歌で万葉集の最後を締めくくりました。そこには、一年が終わりそして新しい一年がやって来るように、「自分も新しく生まれ変わりたい」という新生の思いが込められているように思えます。 この解説サ […]