2019年12月21日 / 最終更新日時 : 2024年2月11日 DCP 柿本人麻呂 玉襷畝火の山の橿原の〈巻一・二十九〉柿本人麻呂 壬申の乱が人々の記憶から遠ざかり、それを口にすることも少なくなった頃、柿本人麻呂は近江の国大津を通り過ぎました。荒れ果てた嘗ての都は、春草が生い茂り、霞がたてばそれとは知らず行き過ぎる人もいるほどです。中大兄皇子(天智天 […]
2019年12月21日 / 最終更新日時 : 2023年2月19日 DCP 柿本人麻呂 楽浪の志賀の辛崎幸くあれど〈巻一・三十〉柿本人麻呂 反歌 伝え聞く戦争の記憶とは、その戦争全体に関するものではなく、戦争の中の一場面です。それは圧倒的な勝利の戦いであったり、逆にもっとも悲惨な出来事であったりします。 この解説サイトは電子書籍にリンクが貼られていますが、電子書籍 […]
2019年12月21日 / 最終更新日時 : 2023年2月19日 DCP 柿本人麻呂 楽浪の志賀の大わだ淀むとも〈巻一・三十一〉柿本人麻呂 反歌 人麻呂は流れ消えることのない(いっときも変わることのない)入江の淀みを見つめながら、時とともに消え去り、もはや会うことのできない昔の人を思いました。消えないもの(志賀の大わだの淀み)と消え去ったもの(昔の人)を対比させ、 […]
2020年11月27日 / 最終更新日時 : 2023年2月19日 DCP 柿本人麻呂 天飛ぶや軽の路は吾妹子が里にしあれば〈巻二・二〇七〉柿本人麻呂 柿本人麻呂の長歌です。離れて暮らす妻が亡くなったという突然の知らせを聞き、泣血哀慟(血の涙を流して泣き叫んで悲しむ)の悲しみが、妻への愛しさをいっそう深めていく心情を歌にしています。 この解説サイトは電子書籍にリンクが貼 […]
2020年11月27日 / 最終更新日時 : 2023年2月19日 DCP 柿本人麻呂 秋山の黄葉を茂み迷いぬる〈巻二・二〇八〉柿本人麻呂 妻の死を秋山の中で道に迷ったことにたとえ、その死を美しく幻想的なものに印象づけています。妻が迷ったその道は、秋山のもみじに隠れて見つからない。黄泉の国へと続くその道を、私は見つけることができないのだ。 この解説サイトは電 […]
2020年11月27日 / 最終更新日時 : 2023年2月19日 DCP 柿本人麻呂 黄葉の散りゆくなべに〈巻二・二〇九〉柿本人麻呂 初めて逢ったあの日に帰りたい。あの日に帰ってもう一度妻とめぐり逢いたい。 この解説サイトは電子書籍にリンクが貼られていますが、電子書籍をダウンロードせずに読まれる方(主にスマートフォンで読まれる方)のために、電子書籍の表 […]
2021年2月18日 / 最終更新日時 : 2023年2月19日 DCP 柿本人麻呂 うつせみと思ひし時に〈巻二・二一〇〉柿本人麻呂 前の長歌の詞書に「柿本朝臣人麿の妻死りし後に泣血ち哀慟みて作れる歌二首」とありますが、この歌の妻は巻207の軽の地の妻とは別人であるとされています。軽の地の妻が世間には知られたくない隠し妻であったのに対して、この長歌で歌 […]
2021年2月18日 / 最終更新日時 : 2023年2月19日 DCP 柿本人麻呂 去年見てし秋の月夜は照らせど〈巻二・二一一〉柿本人麻呂 反歌 年月は大切な人を失った悲しみを癒す唯一の薬ですが、その人を遠ざけていくという副作用を伴います。大切だった人の記憶も他の記憶の中に埋もれていくのです。 この解説サイトは電子書籍にリンクが貼られていますが、電子書籍をダウンロ […]
2021年2月18日 / 最終更新日時 : 2023年2月19日 DCP 柿本人麻呂 衾道を引手の山に妹を置きて〈巻二・二一二〉柿本人麻呂 反歌 妻の死因は疫病(感染症)だったと思われます。この時代に流行した疫病といえば、感染力が強く致死率も高い天然痘だったのでしょう。今のように庶民が栄養過多の生活習慣病で死ぬなどありえない時代です。長歌に「世の中を背きし得ねば( […]
2019年9月22日 / 最終更新日時 : 2023年2月26日 DCP 柿本人麻呂 あしひきの山河の瀬の鳴るなへに〈巻七・一〇八八〉柿本人麻呂 この歌には自然の霊力が詠み込まれています。古来より日本人は自然と共生して生きてきました。山、森、河には神が宿り、雷、雨、風も神の仕業とみなしてきたのです。森羅万象、自然のあらゆるもの、あらゆる現象に神が宿っており、山間を […]