秋山の黄葉を茂み迷いぬる〈巻二・二〇八〉柿本人麻呂
妻の死を秋山の中で道に迷ったことにたとえ、その死を美しく幻想的なものに印象づけています。妻が迷ったその道は、秋山のもみじに隠れて見つからない。黄泉の国へと続くその道を、私は見つけることができないのだ。
この解説サイトは電子書籍にリンクが貼られていますが、電子書籍をダウンロードせずに読まれる方(主にスマートフォンで読まれる方)のために、電子書籍の表紙とページの画像、語句解説、朗読音声などが含まれています。
パソコン(Windows・Macintosh)又はiPadで読まれる方は、電子書籍をダウンロードしてお読みください。ダウンロードサイトは右サイドバーに表示されたURLをクリック又はタップすると起動します。
下のページ画像をクリック又はタップすると朗読音声が流れます。
下のページ画像で現代語訳を確認してください。
<語句解説> をクリック又はタップすると、
本文中の重要語句について解説したページが開きます。
歌を深く味わってみます。
山をおおい尽くす燃えるような紅葉の中で、妻はきっと道に迷ってしまったのだ。その妻を探し出そうにも、秋山のもみじに隠れてしまい、私にはその山道がわからない。
妻の死を秋山の中で道に迷ったことにたとえ、その死を美しく幻想的なものに印象づけています。妻が迷ったその道は、秋山のもみじに隠れて見つからない。黄泉の国へと続くその道を、私は見つけることができないのだ。
「二度と会うことができない妻は、この紅葉の秋山の中で私を思ってくれているだろうか。私が妻をいつまでも恋しいように、妻も黄泉の国で私を思い続けてほしい」そんな思いが言霊となってこの歌に宿っています。