ぬばたまの夜の更けぬれば<巻六・九二五>
吉野の宮(離宮)は吉野川の広い河原に沿って建てられており、昼間はその河原を離宮から眺めることができました。清んだ透明な流れに洗われた河原は久木(キササゲ)が群生し、夏に咲くその花は、離宮に奉仕する大宮人の目を楽しませてくれます。
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吉野の宮(離宮)は吉野川の広い河原に沿って建てられており、昼間はその河原を離宮から眺めることができました。清んだ透明な流れに洗われた河原は久木(キササゲ)が群生し、夏に咲くその花は、離宮に奉仕する大宮人の目を楽しませてくれます。
やがて鳥たちも寝ぐらに帰り、静けさの中に漆黒の闇が広がっていきます。「ぬばたま」は「夜」にかかる枕詞で、真っ暗な漆黒の闇を連想させます。
そんな暗闇に中で寝つかれずにいると、河原から千鳥の鳴く声がしきりに聞こえてきます。黄泉の国に吸い込まれていきそうな漆黒の闇、その中で聞く千鳥の鳴き声は、自分が生きている証にさえ思えるのでした。