学而第一 十六章「人の己を知らざるを患えず」
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嘆くべきは「人を認められないこと」
人が自分を認めてくれないことを嘆くより、自分が人を認められないことを嘆くべきだ。
この章は「学而篇」最後の章です。ここで思い出していただきたいのは、「学而篇」最初の章にあった「人知らずして慍らず」という言葉です。最初の章の「人知らずして慍らず」に、最後の章が呼応しているかのようにも読めます。
若い時代の孔子は「人から認められたい」という気持ちが人一倍強い人でした。そんな孔子が、ある日自分自身がまったく人を認めていないことに気づいたのです。「何ということだ。私自身がまったく人を認めていないじゃないか」その時の愕然とした思いと反省から飛び出したのがこの章のこの言葉だと思います