平の都にしては 二頁

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座の原型

聖徳太子に続いて村上天皇が登場したのは、歴史上名君とされる君主と申楽を関係つけることによる権威づけですが、この時代あたりから申楽が血縁による協力関係から組織(座の原型)を形成し、組織によって発展していったことを伝えたかったのかもしれません。秦氏安と妹婿の紀の権守、血縁による協力が強調されています。申楽談儀に「近江は紀守とて有し人の末也。時代能々たづぬべし」とあり、紀の権守は近江申楽の祖とされています。申楽の座はこうした血縁による協力関係を出発点として形成されていきました。「序」の末文に「かの河勝の遠孫、この芸を相続ぎて、春日・日吉の神職たり。よつて、和州・江州の輩、両社の神事に従ふ事、今に盛んなり」(PDF157ページ) とあるのもそれを言っています。「春日・日吉の神職たり」とは、「春日大社・日吉大社に属する芸能の座となった」と理解してよいと思います。

「秦氏安より、光太郎・金春まで二十九代の遠孫なり。これ、大和国円満井の座なり。同じく氏安より相伝へたる聖徳太子の御作の鬼面、春日の御神影、仏舎利、これ三つ、この家に伝はる所なり。」円満井の座(金春流)の格式の高さを示す文章です。大和申楽の座は、円満井の座(金春流)をその本流(本家)としていました。

式三番

式三番については語句解説でも取り上げてありますが、「式三番」と式三番を構成する「翁」「三番申楽」「父尉」について、「the 能 .com」の能楽用語辞典・演目辞典の検索結果とリンクを貼りました。

「the 能 .com」は、能の様々な情報を得るための優れたサイトです。

「翁」については、実際に観能してみることをお勧めします。YouTubeで検索すると「翁」のチャンネルがいくつかありますが、一番のおすすめは奈良県立図書情報館 公式チャンネルの観世流「翁」です。

下段にリンクを貼りました。

下線のある文字がリンクボタンです。

「the 能 .com」

能楽用語辞典の検索結果にリンクしています。
式三番  ●   ● 三番申楽(三番叟  ● 父尉

演目辞典の検索結果にリンクしています。内容が非常に充実しています。ぜひアクセスしてお読みください。
「翁」

YouTube「翁」 

奈良県立図書情報館 公式チャンネルより 観世流「翁」です。最初に翁についての解説がされています。
観世流「翁」

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